ミノカサゴ
Pterois lunulata Temminck and Schlegel

–大きさ–
全長は25cmから30cmほどで、背鰭や胸鰭が非常に大きく長く伸びています。背鰭には毒を持つ棘があり、刺されると激痛や腫れなどの症状を引き起こします。また、胸鰭軟条の皮膜は先端まで達し、水中で広げると扇のような形になります。

–色–
赤、白、クリーム色や黒色の縞模様を持ち、目を引く警告色です。また、体色は肌色やピンクのような少しだけ赤みがかったような色で、体表には茶色から暗褐色の太い横帯や細い横帯が不規則に多数並んでいます。

–形–
体が楕円形で側扁しており、口や眼の周りには皮弁があります。口は小さく、歯は細かく並んでいます。眼は大きく、頭部の上方に位置しています。

-どこにいる？-
太平洋の南西部とインド洋にかけて分布しており、日本では北海道の南部から九州の南岸までの沿岸部の岩礁に生息しています。水深10mから60mほどの浅い海域に多く見られますが、深海性のものもいるとされます。

-どんな魚？-
貝類や甲殻類、小魚などの小動物を捕食します。夜行性で、昼間は珊瑚や岩場の影に潜んでいます。優雅に泳ぐ姿とは対照的に攻撃的な性格で、水中撮影などで近づくと激昂して人に向かってくることもあります。水族館やダイビングで人気の高い魚ですが、釣り人にとっては毒を持つ危険な魚として認知されています。釣り上げた場合は、素手で触らないように注意しましょう。また、刺された場合は、毒を熱で不活性化させるために患部を45~50度のお湯に浸けるなどの応急処置を行いましょう。食用としても利用されることがありますが、市場には出回らないため珍味とされています。味はカサゴに似ており、刺身や酒蒸し、唐揚げなどで美味しく食べられます。