キダイ（黄鯛）レンコダイ（連子鯛）
Dentex hypselosomus

–大きさ–
レンコダイは、真鯛に似ていますが、一般的に20cmから30cmくらいの小型の魚です。最大で35cmほどと、真鯛の子供くらいの大きさしかありません。真鯛は30cmから50cmが普通で、100cmにもなることがあるので、比べると小ぶりですね。でも、小さいからといって侮ってはいけません。レンコダイは、小さいながらも気が強くて、仲間と一緒に泳ぎ回り、小さいながらも大きな存在感を放っています。また身が締まっていて、水分に富んだ白身魚です。味にクセが少なくて、様々な料理に合います。美味しいので、ぜひ食べてみてください。

–色–
体全体が赤みを帯びた色をしていますが、体側には幅広の帯状に淡く黄色い部分があります。また、顔や口元も黄色く光っています。この黄色は光の反射や角度によって変化するので、見るたびに違った表情を見せてくれます。この色が、別名「黄鯛」という名前の由来になっています。

–形–
レンコダイは、楕円形で体高が高く、側扁（左右に平たい）です。頭部は大きく張り出しており、目も大きめです。口は小さくて突き出しており、歯は細かく並んでいます。尾びれは二又に分かれており、背びれと臀びれは長く伸びています。この形は、「連子鯛」という名前の由来になっています。

–どこにいる？–
日本では中部地方より南部の温かい海域に生息しています。日本海・東シナ海沿岸や太平洋沿岸に広く分布しており、瀬戸内海などの内海にはいません。海外では東シナ海、朝鮮半島、ベトナム、インドネシアなどにも分布しています。水深50～200メートル程の少し深い層を群れで泳いでおり、岸からの釣りではめったにお目に掛かれない魚です。延縄や底曳き網などで漁獲されます。

-どんな魚？-
レンコダイは、タイ科の魚で、真鯛と同じ系統に属します。小魚や甲殻類を好んで捕食する肉食性の魚です。専門的に狙う釣り人は少ないようですが、オキアミや冷凍エビを使用して良く釣れます。初夏と秋に産卵シーズンを迎えます。雌雄同体期を経てメスはオスに性転換します。寿命は10年以上で、35cmの大きさのものもいます。味の旬は産卵期を迎える夏から秋が一番脂がのっており食すのにもってこいの時期です。料理法は刺身や塩焼き、煮付け、鯛飯、干物など様々ですが、沖合で水揚げされるため鮮度が落ちやすく、加熱調理されることが多いです。